クロダイ50センチを求めて | ギアステ5

クロダイ50センチを求めて

会社に入ってから釣りをはじめました。
最初に狙ったのは黒鯛50センチオーバーでした。

なぜなら、当時、チヌ倶楽部という雑誌があって、50センチオーバーの魚拓を送ると認定書がもらえたからだ。

「いつか獲ってやる。」

と言い始めて、はや20年たってしまった。

最初に黒鯛を狙ったのは磯でした。
ひしゃくでコマセを巻いて、遠矢ウキというウキを使う、いわゆるのウキフカセ釣りであった。

43センチの黒鯛が釣れた。

これはこれで満足だった。

だが、やはり50センチオーバーは釣りたい。

「磯釣りなんかやっとれるか。筏や筏。」

と筏釣りを始めたことがあった。
最初に、筏の渡船屋に行ったら、「あんた、堤防でも行ったらどうですか。」と馬鹿にされつつも、筏に通い詰めた。

通い詰めただけあって45センチの黒鯛が釣れた。

これはこれで満足だった。

だが、やはり50センチオーバーは釣りたい。

「黒鯛なんか俺には無理だ。船だ船。」

みんな真鯛釣りをしているし、真鯛の沖釣りをやろう。
70センチの真鯛が釣れた。

根魚もいいんじゃないのか。
40センチのクロソイが釣れた。

ヒラメもいいんじゃないのか。
60センチの平目が釣れた。

いつの間にか、沖釣りファンになっていた。
沖釣りは軍資金が続かない。

いつの間にか、堤防でアジの泳がせ釣りをやっていた。
そんなにおおきくはないけど、ヒラメやマゴチ、キジハタ、ワタリガニ、タコ、エイ。
何でも釣れた。やはり生き餌に勝るものはない。

今日もやはりアジの泳がせ釣りをしていた。
めずらしくも竿がぐぐっと曲がった。ヒラメにしては引きが強い。
エイにしては引きが弱い。なんなんだこの魚は、と思いながらやり取りをした。

あがってきたのは、なんと黒鯛だった。立派な51センチの黒鯛だった。

20年前に志した黒鯛への想いがこみ上げてきた。

「やっと釣れた。」

同時に結末はいつもあっさりしているものだとも思った。
隣では家族でアジ釣りを楽しんでいるファミリーが、「大きい魚だね。」などと言っている。

あの通いつめた磯や筏はなんだったんだろう。
チヌ倶楽部の50センチコーナーという企画などとっくになくなっている。

だけど魚拓をとった。20年間、黒鯛を追いかけ続けた思い出の証だ。

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